なんど、津軽弁のむがしばなし きいだごと あるべが?(皆さんは津軽弁で昔話を聞いたことはありますか?)
日本人なら、多くの人が一度は桃太郎や金太郎といった昔話に心を弾ませた経験があるでしょう。小さいころは絵本をもって家族に読み聞かせをせがんだことがある人も多いと思います。 今回は青森県弘前市にある、弘前りんご公園で行っている「津軽昔語り」について紹介します。
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見出し
1.“ほれ見でけろ”旧小山内家住宅の施設案内
2.“おもしぇ”津軽の昔話二つ ― 『おぼされて』・『王余魚沢(かれいざわ)』
3.“語るって、たんげむずかしい”けど、それでも続ける理由
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1.“ほれ見でけろ”旧小山内家住宅の施設案内
津軽昔語りは、りんご公園の敷地内にある豪農住宅、旧小山内家住宅(きゅうおさないけじゅうたく)で毎年4月~11月の土日祝に行われています。

こちらは、旧小山内家住宅の入り口です。 また、旧小山内家住宅には昔使われていた農機具やねぷたの襖(ふすま)絵が展示されており、座敷、常居(じょい)、納戸など昔ながらの間取りが残る屋内で当時の生活を垣間見ることができます。

当時使っていたとされる臼や杵、籠、こね鉢などの道具の展示です。

型枠や唐箕(とうみ)など、農業に使われていた農機具の展示です。

ねぷた絵師 三浦呑龍氏の弘前ねぷた見送り襖(ふすま)絵の奥には座敷が広がっています。
「津軽昔語り」は囲炉裏などが展示されている常居で開催されます。

部屋の中にはたくさんの椅子が並べられていました。語り部の先生は緑色の椅子に座りながらお話してくれます。
2.“おもしぇ津軽の話っこ” ふたつ ― おぼされて・かれいざわ
6月13日の津軽昔語りでは、語り部をしていらっしゃる木村孝子先生、岩渕菜穂子先生から、様々な昔話を聞かせていただきました。ここでは、『おんぼされて』、『王余魚沢(かれいざわ)』の2つをご紹介します。

岩渕菜穂子先生(左)、木村孝子先生(右)
『おぼされて』

昔、弘前市の八幡宮の奥にそびえる大きな杉の木のてっぺんには、 夜になると「おぼされてぇ… おぼされてぇ…」と不気味な声をあげる化け物がいた。 その声が響くたびに町の人々は震え上がり、夜道を歩く者はいなくなった。

そんな恐ろしい噂が広まる中、弘前公園の亀甲門のそばでは、 囲碁好きの三人の爺様が毎日お茶を飲みながら楽しく碁を打っていた。 その中の一人、じいさまAは気は弱いが誰にも負けない腕前の持ち主。 どうしても彼に勝ちたいじいさまBとCは、じいさまAに話を持ちかけた。
「どんだばぁ、今日負げた人、あの“おぼされて”とば捕まえに行がねぇが?」 じいさまAは意気揚々と「ん、それだばわやるじゃ」と応じたものの、 その日に限ってどういうわけか手が冴えない。 打てば返され、さらに打てばまた返される。 実はじいさまCが対局中のじいさまBにこっそり合図を送っていたのだった。

そしてついにじいさまAは敗北。 男同士の約束を守るため、捕まえるための紐を握りしめ、 震える足で真っ暗な道をひとり歩き始めた。
杉の木までもう少し―― そのとき、闇の奥からあの声が響いた。
「……おぼされてぇ…… ……おぼされてぇ…… ……おぼされてぇ……」
爺様Aの背筋を冷たいものが走り、 闇はゆっくりと彼の方へと近づいてきた。
この先、じいさまAに何が起きたのか―― 津軽の夜に語り継がれてきた“おぼされて”の正体は、あなたの想像を必ず裏切るでしょう。 物語の結末は、ぜひ語り部の声で聞いてください。
『王余魚沢(かれいざわ)』

昔、青森空港のそばにある沢――「王余魚沢(かれいざわ)」には、炭焼きで暮らす家々が並んでいた。 その一軒に、目のまわりが黒い白い犬「シロ」と暮らすおじいさんがいた。 おじいさんは町へ炭を売りに行った帰りに、お酒と一緒に焼いたカレイを食べるのが何よりの楽しみだった。
ところが年の暮れ、風邪をひいて寝込んでしまう。 正月になっても熱は下がらず、布団の中で弱々しくつぶやいた。 「シロォ…こしたとき焼いたカレイっこけば、風邪とば吹っ飛んでけろっと治るべなぁ…」

翌朝、シロの姿が見えない。 夜になって戻ってきたシロの口には、なんと大きなカレイが咥えられていた。 「シロ、そのカレイどこから持ってきたばぁ?」
問いかけても、シロはカレイを置いて「ワン!」と一声。 それから毎晩、シロはカレイを咥えて帰ってきた。おじいさんの体は日ごとに元気を取り戻していった。

一方そのころ、平内町の浅所海岸では漁師のセンゾウが釣ったカレイの数が合わず首をかしげていた。 ある日、岩場の後ろの洞穴から、目のまわりが黒い白い犬が現れ、カレイをくわえて走り去るのを見た。 春になり、センゾウが旅の途中で立ち寄った沢沿いの集落――水と食べ物を恵んでもらうために 扉を叩いたその家の中に、カレイを盗んでいった犬がいた。
シロが咥えてきたカレイの正体を知ったとき、 おじいさんの胸に広がったのは感謝か、それとも罪の重みだったのか。 忠義と犯罪が交わるその結末は、津軽の雪解けのように静かで、深く心に沁みるでしょう。 「王余魚沢」という名に込められた想い――その真実を、語り部の声で聞いてください。
これらの物語の結末は、ぜひご自身の目と耳でお確かめください!!
3.“語るって、たんげむずかしい”けど、それでも続ける理由
津軽の語りが大好きな木村先生、岩渕先生にQ1どうして語り部を始めたのか、Q2語り部をする上での苦労やうれしかったこと、Q3これからのお二人の目標について答えていただきました。
Q1.津軽昔語りの語り部として参加するようになったきっかけは何ですか?
木村先生「仙台市から弘前市に戻ってきたころに、たまたま遊びに来たりんご公園で現会長である菊池先生の『兄と白い鳥』を聞いてものすごく感動した。そのまま勧誘を受けて気付けば20年以上も語り部をしている。」
岩渕先生「木村さんと同じく昔話をきいて感動したから語り部を始めた。初めて聞いたときは昔話がここまで感動できるものだとは思っておらず、とても驚いた。菊池先生の昔話は大人向けで面白い。」
Q2.語り部をする上でうれしかったことや大変だったことは何でしょう?
木村先生「私には話を覚えることも、話をすることも合っていると思っている。最近では昔話を聞く機会がなかなかないので、地域の小学校の読書会に呼ばれたときは子供たちに昔話を聞かせることも多い。子どもに誤魔化しは効かないので、まっすぐ自分を見て夢中になってくれたときはうれしかった。」
岩渕先生「人前で語りをすることが嫌に感じることもあるが、語りをしていると自分の血や細胞が喜ぶ瞬間を感じられる。菊池会長が書いた話や文章にはこれらを掻き立てられることが多い。」
Q3.お二人のこれからの目標について教えてください!!
木村先生「これからも多くの子どもたちに話を伝え、大人になっても心に残っているような昔話ができる語り部になりたい。」
岩渕先生「仕事をしながらできる範囲で語り部の活動を続け、津軽弁の良さを残していきたい。」
両先生、ありがとうございました!!
最後までお読みいただきありがとうございました!「津軽昔語り」は旧小山内家住宅の内観も相まって情緒あふれる活動です。津軽地方の地域や建物、軽快なわらべ歌が登場する昔話は老若男女問わずに楽しめます。興味がわいた方はぜひご家族やお友達を誘って、一度遊びに行っていただけたら嬉しいです!
津軽の話っこだば、4月がら11月まで、毎週土曜・日曜と祝日にやってらはんで、ぜひ来てけろじゃ~ \(・▽・)/ (津軽昔語りは、4月から11月までの期間、毎週土曜日・日曜日・祝日に開催しています。ぜひお越しください!)
_(._.)_ とっつぱれ _(._.)_(おしまい)
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【津軽昔語り】(協力:津軽語り部の会)
〈場所〉
旧小山内家住宅
(弘前りんご公園内)
〈開催日〉
4月~11月の毎週土曜日・日曜日・祝日
〈時間〉
1回目 11:30~12:00
2回目 13:00~13:30
〈料金〉
無料
【旧小山内家住宅】
〈住所〉
〒036-8262
青森県弘前市清水富田字寺沢125 (弘前りんご公園内)
〈休業〉
無休
〈営業時間〉
9:00~17:00
※施設利用時間以外でも園内を散策することができます。
〈料金〉
無料
【弘前りんご公園】
〈電話・ファクス〉
0172-36-7458
〈E-mail〉
ringo-kouen@hi-it.jp
りんご公園の敷地内には専用の駐車場もあります!!
※記事の投稿日以降に、施設の営業時間などが変更されている場合がございます。
いらっしゃる前に、りんご公園の公式HPもご確認ください!!
〈弘前りんご公園 公式HP〉
https://www.city.hirosaki.aomori.jp/ringopark/
りんご公園で行われているイベントなどが紹介されています。
ぜひ、ご覧ください!!
〈弘前りんご公園 公式X(旧Twitter)〉
https://x.com/hi_applepark
〈弘前りんご公園 公式Instagram〉
https://www.instagram.com/hirosaki_applepark?igsh=MTkyc200M3BqaGl2cA%3D%3D&utm_source=qr
【Google Map 旧小山内家住宅】
